交通事故訴訟・示談の弁護士費用相場と選び方【比較検証】

交通事故訴訟・示談にかかる弁護士の費用相場と各事務所の特徴を比較r。選び方等をご紹介します。

普段通りの生活をし、どんなに気を付けて運転をしていても誰でも突然巻き込まれる可能性がある交通事故。

当事者同士の示談で話がまとまれば一番良いのですが、そこで話がこじれた場合民事裁判へと話が進む可能性があります。

一般的に裁判というと「怖い」「何をすればいいかわからない」「自分の言い分は通るのだろうか」など不安な気持ちに感じる方がほとんどだと思います。

そんな不安を解決するには、現場のプロである弁護士への依頼が必須になってきます。

人生のうちに何度も経験することはないけれど、知っていて絶対に損はしない

交通事故訴訟・示談の弁護士費用の相場と選び方、安くする方法についてまとめました。一緒に大切な要点を確認していきましょう。

交通事故訴訟とは

そもそも交通事故訴訟とは一体何なのでしょうか。

まずは基本の情報からおさらいしていきましょう。

交通事故訴訟の流れ

実際に交通事故訴訟を起こす時の流れを見てみましょう。

1.裁判所に訴状を提出。

交通事故の被害者は原告、加害者が被告となります。

※訴状は損害賠償の額により提出先が異なり、証拠書類（交通事故証明書・診断書、後遺障害診断書・治療費の領収書や明細書、源泉徴収所など収入証明書、休業損害証明書）を添付します。

140万円以下…簡易裁判所

140万以上…地方裁判所

2.訴状を提出した後、1~2ヶ月以内に裁判（第1回口頭弁論期日）が開始。

訴状・答弁書・提出された証拠の提出確認が行われ、その後1ヶ月に１回ペースで口頭弁論が開催されます。

3．和解協議が開始。

ある程度の回数の口頭弁論により、お互いの主張が終わると、次は和解へと進む事となります。

和解が成立した場合…裁判の終了

和解不成立の場合…口頭弁論が再開し、証人尋問、当事者尋問が始まります。 

証人尋問後、再度和解協議が行われます。

 ４．判決の確定

判決言い渡し期日に判決が確定し、後日郵送で判決書が送られてきます。

判決で納得しなかった場合…二週間以内に不服申し立てをします。

５.控訴・上告

不服申し立てを行った場合控訴、上告へと進み、さらに場所を変えて裁判を続行する形になります。

第一審に対し不服がある場合…控訴
第二審に対し不服がある場合…上告（※憲法違反や法令違反など重大な事実誤認の場合のみ。）

6．判決の最終確定・裁判終了

以上のような流れで、交通事故訴訟が完了します。

弁護士に依頼する流れ

一般的な弁護士に依頼する流れは以下の通りです。

交通事故訴訟・示談の弁護士費用相場（6社比較）

講事故訴訟・示談にかかる弁護士費用の相場は、各事務所により費用は異なりますが、一番多い物で裁判の獲得費用の11％+ 11〜22万円＋実費となっています。

交通事故訴訟の場合、過去の判例や知識が必要になるので、マルチに色々な案件に対応している弁護士よりも、交通事故に特化した専門知識が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。

まずは交通事故訴訟に強い弁護士が在籍する6社の料金を比較しました。

弁護士法人オールイズワン（埼玉）

（※弁護士法人オールイズワン公式HPより引用）

弁護士法人オールイズワンの費用相場は獲得金額の11％+ 22万円＋実費です。

弁護士法人オールイズワンは埼玉県にある交通事故専門の法律事務所です。

豊富な実績を持つ弁護士や交通事故に特化した専門の事務スタッフが在籍しており、医師と連携する事で過去1500件以上にのぼる豊富な相談実績や示談額・獲得金額をアップさせ解決した実績を多数持っています。

特に重大事故に携わる経験が豊富にあり、裁判をスムーズに進めるためのノウハウがしっかりしているので安心して相談する事ができます。

弁護士法人オールイズワンの
詳細はコチラ

ベリーベスト法律事務所（全国）

（※ベリーベスト法律事務所公式HPより引用）

ベリーベスト法律事務所の費用相場は獲得金額の11％+ 22万円＋実費です。

ベリーベスト法律事務所には、交通事故専門チームがあり、約340人の在籍弁護士による安心サポートが受けられます。

事故後すぐの相談から解決までトータルでフォローしてくれるので、身体的にも精神的にも負担を減らし、体を治すことに専念することが出来ます。

また、全国に支店があり、出張が可能なので東京以外にお住まいの方でも相談することが可能です。

認定経験の豊富な医療コーディネーターが症状にあわせ共に戦略を考えてくれるというポイントもベリーベスト法律事務所の強みです。

ベリーベスト法律事務所の
詳細はコチラ

弁護士法人ALG&Associates・大阪法律事務所（大阪）

（※弁護士法人ALG&Associates・大阪法律事務所公式HPより引用）

弁護士法人ALG&Associates・大阪法律事務所の料金相場は獲得金額の11％+ 19万8000円＋2万2000円（諸経費）です。

大阪での交通事故訴訟に強い弁護士事務所です。直接事務所に行かなくても電話相談が可能なので遠方の方でも利用可能。

初めての問い合わせ時から交通事故専門の受付員が対応してくれるので安心して相談する事が出来ます。

また、医療過誤案件を専門的に取り扱っている弁護士が所属しており、交通事故訴訟には必要となる医学的知識、医療チームとの連携も整っている点もポイントです。

弁護士法人ALG＆Associates・大阪法律事務所の
詳細はコチラ

さっぽろ大通法律事務所（北海道）

（※さっぽろ大通法律事務所公式HPより引用）

さっぽろ大通り法律事務所での費用相場は獲得金額の11％+ 11万円＋実費です。

専門知識と豊富な経験で事故直後から解決までトータルでサポートしてくれる交通事故専門の法律事務所です。

交通事故での被害者側に特化し、依頼者の話をとにかく良く聴く事をモットーに親身になって担当してくれます。

札幌での交通事故事案を専門として担当している為、札幌市内、札幌近郊の医師に関する情報を累積しています。

さっぽろ大通法律事務所の
詳細はコチラ

弁護士法人たくみ法律事務所（福岡）

（※弁護士法人たくみ法律事務所の公式HPより引用）

弁護士法人たくみ法律事務所の費用相場は獲得金額の11％＋22万円＋実費です。

九州地方最大級の相談実績を誇る、福岡県の交通事故に強い弁護士事務所です。

料金体制の明確化、無料法律相談を積極的に実施し交通事故事件の被害者に親身になりサポートしてくれます。被害者が安心して新しい生活を送ることが出来る日までしっかりと寄り添う「トータルペインケア」を実行し適正な賠償金の獲得のための弁護を行ってくれる事務所です。

弁護士法人たくみ法律事務所の
詳細はコチラ

しまかぜ法律事務所（愛知）

（※しまかぜ法律事務所の公式HPより引用）

弁護士法人しまかぜ法律事務所の費用相場は獲得金額の12〜20％です。

年間で300件以上の交通事故案件に携わっている代表の法律事務所です。専門知識から様々な事案の解決をサポートしてくれます。

気軽に相談できる様々なサービスを用意し、敷居、費用ともに相談者に出来るだけ負担のかからない体制を整えてくれています。

数年にわたり交通死亡事故が全国ワースト1位の愛知県名古屋市の地元密着型ならではの専門知識の豊富さや実績はポイントです。
しまかぜ法律事務所の
詳細はコチラ

交通事故訴訟・示談の弁護士費用相場の比較表

交通事故訴訟・示談の弁護士費用相場と特徴を以下の表にまとめました。

初回相談料・着手金は無料となっている弁護士事務所が多いですが、来所して相談をした際に60分を超えてしまうと料金が発生する事務所もあります。

弁護士法人ALG＆Associates大阪法律事務所ではフリーダイヤルの被害者専用ダイヤルを用意し、24時間受付をしています。料金等の基本的な質問は最初にしておくことがおすすめです。

あらかじめ相談内容をまとめておくことが重要ですが、その後の契約体系によっては延長相談料も無料にしてくれることもあるので、報酬金も含め初期段階で料金の説明をしっかりと受けるようにしましょう。

交通事故訴訟　弁護士の選び方

弁護士事務所は全国にたくさんあり、弁護士のスキルやノウハウもさまざまです。

では、どのような弁護士を選べば交通事故訴訟を有利に進めていくことができるでしょうか？

・交通事故に強い弁護士を選ぶ

交通事故訴訟は数が多い事から多数の裁判判決例が過去に存在する分野です。

そのため、手広く色々な案件に対応している弁護士よりも、交通事故に特化し様々な過去の判例を熟知し、経験をしている弁護士を選ぶ方が賢明です。

・過去の実績を調べ、信頼できる弁護士を探す

まずは弁護士の交通事故案件解決実績に注目しましょう。これまでの実績が高く解決事例なども示されている弁護士なら、安心感があります。事故対応にも慣れていますし保険会社からのよくある主張も熟知しているので、効果的に反論できるのが通常です。
横浜クレヨン法律事務所HPより引用

例えば一部の大手法律事務所など在籍している弁護士が多い場合、過去の実績として所属している弁護士全員の実績をまとめ、経験豊富な事務所として見えるようにホームページに記載している場合があります。自分が依頼したい相手の経歴や過去の実績を調べた上で、信頼出来る弁護士を選びましょう。

地元密着型の事務所にお願いする。

病院選びはとても重要です。①「地域密着」の弁護士・法律事務所であれば、治療費打ち切り対策・けがの立証・適切な治療を受けられることにつながる「良い病院」の情報を複数有しており、ご自身でも通える良い病院が見つかる可能性があります。

シーライト藤沢法律事務所HPより引用

地域密着型の弁護士事務所は、その地域での過去の交通事故の判決例や、裁判官など裁判に関わる関係者の特徴、交通事故訴訟のポイントの一つである病院や医師の特徴について熟知してる方が多いです。

そのため、いざ交通事故訴訟となった時にスムーズに裁判を進められるでしょう。

交通事故訴訟　弁護士費用を安くする方法

交通事故訴訟には成功報酬制度を使っている事務所も多々ありますが、それでも多額のお金がかかります。

そんな訴訟費用を少しでも安くするための方法をご紹介致します。

弁護士費用特約を使う

まずは、自分が任意で加入している保険に弁護士費用特約がついているか確認しましょう。

もし、弁護士費用特約をオプションでつけている場合はほとんど依頼者の負担なしで交通事故訴訟に挑む事ができます。

法テラスを使う

経済的に余裕がない方が法律相談を受けたり、弁護士をお願いしたいという場合、一定の条件を満たせば「民事法律扶助制度」の制度を利用する事ができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか？交通事故訴訟・示談に関わる弁護士費用は弁護士費用特約に入っていない場合、被害者といえども訴訟を起こすと多額の金額がかかります。

今回ご紹介した法律事務所の料金相場を見ると、弁護士特約に入っていない場合には、

獲得金額の11％＋11万円＋実費～獲得金額の11％＋22万円＋実費

弁護士事務所によって金額は様々ですが初期費用で10万円以上はかかるという事になります。

それだけでなく、実際に裁判が始まるまでに1～2ヶ月程度、その後裁判の内容がこじれ和解協議までの時間が長引けば長引くほど時間も掛かる事になり、交通事故訴訟の裁判終了までの平均的な期間は18ヶ月程にも及びます。

交通事故の被害者でありながら、金銭問題・時間の消費・心身の疲労など様々な弊害を体験する事になります。

しかし、交通事故訴訟を起こす事で保険会社が提示した金額の4倍以上の賠償金が貰える可能性があります。

実際にもらえるはずの賠償金の獲得のための訴訟なので、損をするよりも費用や時間が掛かっても是非専門家に適正な金額の確認と獲得をお願いするべきではないでしょうか。

泣き寝入りにならない様、しっかりと親身になってくれる過去の実績があり、交通事故に強い弁護士、地元密着型の弁護士を選ぶ事が大切です。また、自身の保険の内容を見直していざという時の為に弁護士費用特約に加入するのも必要かもしれません。

いざその状況になった時に困らないよう、交通事故訴訟について普段から考えてみる事をおすすめします。

弁護士費用比較表

画像
名称	弁護士法人オールイズワン	ベリーベスト法律事務所	弁護士法人ALG＆ Associates大阪法律事務所	さっぽろ大通法律事務所	弁護士法人たくみ法律事務所	しまかぜ法律事務所
相談料	なし	なし	なし	なし	なし	なし
着手金	なし	なし	なし	なし	なし	なし
報酬金	獲得金額の11％＋22万円＋実費	獲得金額の11％＋22万円＋ 実費	獲得金額の11％＋19万8000円＋ 2万2000円（諸経費）	獲得金額の11％＋11万円＋ 実費	獲得金額の11％＋22万円＋実費	獲得金額の12～20％
業務体系	交通事故・後遺症専門	各種訴訟担当 交通事故専門チームあり	各種訴訟担当	交通事故に特化	交通事故に特化	各種訴訟担当 交通事業務中心
特徴	裁判基準による賠償金獲得率が98％。交通事故に関する実績が評価され、全国の弁護士に講演をしている実績があります。	全国に展開していて、交通事故専門のチームが用意されています。むちうち症から、高次脳機能障害といった専門性の高い症状の解決事例もあります。	来所法律相談の際、その場で契約した場合は30分以上の延長料金を無料としています。交通事故被害者専用ダイヤルがあります。	事故直後から解決までのトータルサポートを重視。自動車事故被害者側の解決ノウハウが集積しています。	九州地方での解決事例が最大数を誇っています。2020年までに7273件もの相談を受付ています。専門書（通称：赤い本）に解決事案が掲載されており、実績があります。	被害者やその家族が希望する刑事裁判への被害者参加を無料で行っています。被害者の健康状態の安定のために出張相談も行っています。
地域	埼玉	全国	大阪	北海道	福岡	愛知

関連記事

当サイトではその他、様々な弁護士・法律関連士業に依頼する場合の費用相場をまとめています。

「債務整理にかかる費用の相場と選び方・安くする方法」や「過払い金請求にかかる費用の相場と選び方と安くする方法」等。

過払い金請求にかかる費用相場と弁護士・司法書士の選び方【各事務所比較】

過払い金請求を弁護士等に依頼するといくらかかるのか？依頼費用の相場と選び方、おすすめをご紹介しています。 過払い金請求の料金相場は成果報酬16%～27%、着手金等が1万円～６万円ほどが相場です。訴訟をするか否かでも料金が大きく変わってきます...

context-japan.co.jp

2023.06.25

また、士業関係に関する記事は他にもございますので参考にしてくださいね。

士業・専門家に関する他の記事もみる